タロットと美術〜恋人たち
恋人たちのタロットを見ると喜ぶ人は多いですね。
だって、恋人たちというタイトルだしね。
でもちょっと絵を見ると微妙な感じ。
ラブラブなんだったら、このカップの2みたいなの絵になると思いませんか?
恋人たちのタロットには、男女とその上に天使。そして男女それぞれの後ろに木がたち、女性の後ろの木にはりんごとヘビ。男性の後ろの木には火のような葉っぱ。
さて、下の絵を見てください。
1526年ルーカス・クラナッハ(父)「アダムとイヴ」1526年コートルード美術研究所(ロンドン)
聖書の世界で初めての人間である2人の原罪と楽園追放がテーマです。
お話しは、
神はアダムを自らに似せて創り、アダムの肋骨からイヴを創り、エデンの園に住まわせていました。エデンの園にはたくさんと木ノ実がなっていてどれを食べてもいいとされていましたが、ただ一本だけ食べてはいけない木ノ実がありました。
ある日、女性のイヴが蛇にそそのかされ、この禁断の木ノ実を食べ、アダムにも食べさせます。神との約束を破ってしまったのです。これが、人間は生まれながらにして罪深いとされるキリスト教の根本、「原罪」の場面です。
この後、神は怒り、エデンの園を追放されます。
この禁断の木ノ実は、知恵の実でした。2人は知識を得る代わりに男は苦労して働き、女は産みの苦しみを得ることになったのです。
原罪のシーンにはアダムとイヴ、ヘビ、リンゴの木がよく描かれています。
楽園追放の場面には、泣きながら歩くアダムとイヴ、追い立てる天使がよく描かれます。
ちなみに昔の恋人たちのカードは、違う絵柄です。下記のように2人の女性に囲まれた男性、上からキューピッド(微妙な絵ですが)が右側の若い女性に矢を向けています。
どうやら恋の軍配は右側の若い女性にあがるようです。このように選択するような絵になっていて、ウェイト=スミス版とは全く違う意味に見えます。こちらも決めるのはキューピッドですから自分で決めるというのではなさそうですが。
描かれたものをじっくり見るとカードの言わんとするのことが見えてきますね。
絵は面白いなーと見飽きることがありません。
*タロットを学んでみたい方への体験会は随時開催します。予約制です。
2時間 4,000円
お問い合わせはメールで。
info_angelica@yahoo.co.jp
ギータまで